「技術力には自信があるのに、なぜかお客様から選ばれない…」そんな悩みを抱える建築会社の社長様は多いのではないでしょうか。競合他社の存在や時代の変化を原因に考えがちですが、実は自社の内部に潜む「見えない欠陥」が大きな足かせとなっている場合が多いのです。
本記事では、現役社長でありマーケティングのプロでもある稲葉高志氏が、これまで何百もの建築会社を見てきた経験から導き出した「技術力はあるのに選ばれない会社に共通する3つの見えない欠陥」について詳しく解説します。これらの欠陥は、正しい自己診断と適切な対策によって必ず克服可能です。ぜひ自社の現状を見つめ直すきっかけにしてください。
目次
- 目次
- なぜ「見えない欠陥」が会社の成長を阻害するのか
- 欠陥1:価値を語らない「職人集団」という病気
- 欠陥2:価値がずれている「天才集団」という病気
- 欠陥3:価値が忘れられる「王者」という病気
- 見えない欠陥を克服するための自己診断と治療法
- まとめと次回予告
- よくある質問(FAQ)
目次
- なぜ「見えない欠陥」が会社の成長を阻害するのか
- 欠陥1:価値を語らない「職人集団」という病気
- 欠陥2:価値がずれている「天才集団」という病気
- 欠陥3:価値が忘れられる「王者」という病気
- 見えない欠陥を克服するための自己診断と治療法
- まとめと次回予告
- よくある質問(FAQ)
なぜ「見えない欠陥」が会社の成長を阻害するのか
技術力が高く、真面目に仕事をしているにも関わらず、なぜお客様に選ばれないのか。その原因は多くの場合、競合他社の影響や時代の変化ではありません。実は、自社の中に潜む「見えない欠陥」、つまり経営や情報発信の根本的な問題が大きな障害となっているのです。
稲葉氏は、「闇雲に行動を始めても的を得ていなければ意味がない」と強調します。まずは自社の状態を正しく診断し、何が成長の足かせになっているのかを見極めることが重要です。
欠陥1:価値を語らない「職人集団」という病気
最初に紹介するのは、「価値を語らない職人集団」という欠陥です。これは、真面目で実直な工務店や専門業者に多く見られる病気で、技術力が非常に高いにも関わらず、顧客にその価値を言葉で伝えようとしない特徴があります。
職人気質の美学に縛られ、「良い仕事は語らずとも伝わるはずだ」と考えてしまうのです。たとえば、ホームページに施工事例を掲載しても、「完成写真がきれいに仕上がりました」という一言だけで終わってしまい、なぜその施工が顧客の暮らしに良いのかを説明しません。
打ち合わせの場でも技術的な正しさばかりを語り、顧客が本当に知りたい「なぜそれが私たちの暮らしにとって良いのか」という問いに答えられないため、顧客には「悪くはないけど何が良いのかわからない会社」として認識されがちです。
結果として、技術力はそこそこでもプレゼンテーションが巧みで、顧客の心に響く物語を語れる競合に簡単に見積もりで負けてしまうことが多いのです。
ポイント:最高の技術を持ちながら、その価値を言葉という武器で伝えられないのは非常に惜しい状況です。この欠陥を克服するには、技術の素晴らしさを言葉で具体的に表現し、顧客に理解してもらう努力が不可欠です。
欠陥2:価値がずれている「天才集団」という病気
2つ目の欠陥は、「価値がずれている天才集団」です。特に社長自身が強いこだわりを持つデザイン事務所や設計施工の会社に見られます。自分たちの理想とする建築を追求するあまり、顧客が本当に求めている価値とはずれてしまっている状態です。
例えば、社長が「世界基準の断熱性能を持つ家しか作らない」という高い理想を掲げていても、実際に顧客が求めていたのは「予算内で子供が走り回れる少しでも広いリビング」だったかもしれません。これはプロとしての善意からのオーバースペックであり、顧客にとっては求めていない過剰な仕様となってしまうのです。
このタイプの社長は、顧客の要望を「素人の戯言」と一蹴したり、自分の美学に反すると拒絶したりする傾向があります。その結果、顧客は「この先生は私たちの気持ちを理解してくれない」と感じて離れていき、社長は「なぜ俺の作る本物の良さが誰にもわからないのか」と孤独な芸術家のようになってしまうのです。
ポイント:理想を追求することは大切ですが、顧客のニーズとずれてしまうと、選ばれなくなるリスクが高まります。顧客の本当の要望に耳を傾け、バランスを取ることが成功の鍵です。
欠陥3:価値が忘れられる「王者」という病気
3つ目の欠陥は、「価値が忘れられる王者」という病気です。これは、地域で長年の実績と評判を築いてきた優良店が陥りやすい、非常に気づきにくい問題です。
長年紹介客だけで経営が成り立ってきた過去の栄光に安住し、新しい世代の顧客からはその存在すら忘れられてしまうのです。ホームページは10年前に作ったきり更新されず、SNSアカウントも数年前に数回投稿しただけで蜘蛛の巣が張っているような状態。そんな会社は「紹介だけで十分」と考えています。
しかし、紹介客であったOB顧客も年を重ねて代替わりしていきます。一方で、新しく地域にやってきた若い世代は、あなたの会社の輝かしい歴史を知る由もなく、彼らが信頼するのはGoogleの検索結果やInstagramのフォロワー数です。
気づかぬうちにゆっくりと衰退していく「ゆでガエル状態」となり、経営が立ち行かなくなってから重い腰を上げてウェブの世界を覗くと、すでにライバルが圧倒的な情報要塞を築いており、追いつくことが絶望的な差が生まれてしまっています。
「昔はうちが地域で一番だったのに…」という言葉は、変化を拒んだ王者が最後に発する悲しい遠吠えに過ぎません。
ポイント:過去の実績に甘んじず、常に新しい顧客層に向けて価値を発信し続けることが、地域での地位を維持し続けるために不可欠です。
見えない欠陥を克服するための自己診断と治療法
ここまで紹介した3つの「見えない欠陥」は、どれも技術力が高いからこそ陥りやすい根深い問題です。しかし、最も重要なのはこれらは正しい自己診断と適切な治療法さえあれば必ず克服できるということです。
まずは自社の「健康診断書」を厳しい目で見つめ直し、どの欠陥に当てはまるかを見極めましょう。欠陥に気づき、問題点を明確にすることが改善の第一歩です。
次に、それぞれの欠陥に対して具体的な対策を講じる必要があります。
- 職人集団の場合:技術の価値を言語化し、顧客にわかりやすく伝えるためのコミュニケーション力を磨く。ホームページや打ち合わせで技術の良さを具体的に説明する習慣をつける。
- 天才集団の場合:顧客のニーズをしっかりヒアリングし、理想と顧客の要望のバランスを取る。顧客との対話を通じて価値観のズレを解消する。
- 王者の場合:過去の実績に固執せず、最新のWEBマーケティングやSNSを活用して新規顧客に向けた情報発信を強化する。定期的なコンテンツ更新と顧客接点の拡大に注力する。
これらの対策は一朝一夕では効果が出にくいですが、継続的に取り組むことで確実に会社の価値を高め、選ばれる建築会社へと変革できます。
まとめと次回予告
今回は「技術力はあるのに選ばれない建築会社に共通する3つの見えない欠陥」について解説しました。
- 価値を語らない「職人集団」
- 価値がずれている「天才集団」
- 価値が忘れられる「王者」
どれも技術力があるからこそ陥りやすい問題ですが、正しい自己診断と適切な治療法があれば必ず治癒可能です。自社のカルテを厳しい目で見つめ直し、改善に取り組みましょう。
次回のエピソード12では、2025年以降の建築業界で圧倒的に勝ち残るための最新WEB活用術をテーマに、これらの欠陥を克服し技術力を新しい時代で輝かせる具体的な戦略について詳しく語ります。ぜひ見逃さないよう、YouTubeチャンネル登録と通知設定をお願いいたします。
また、今回の内容をより詳しく解説したブログ記事も公開中です。文字でじっくり復習したい方や社内共有を検討されている方は、概要欄のリンクからぜひご覧ください。
この番組は広告費ゼロで、現役社長の稲葉高志氏の20年以上の実践知恵を基に企画運営されており、建築業界特化型の情報発信システム「カチクラ360™」の一環です。あなたの会社の情報発信を根本から変革するサービスにもぜひご注目ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。あなたの会社の未来が輝くことを心より願っています。
よくある質問(FAQ)
Q1: 技術力が高いのに価値を語る必要が本当にありますか?
A1: はい、現代の顧客は情報を多角的に比較検討しています。技術力だけでなく「なぜそれが良いのか」「自社にとってどんなメリットがあるのか」を言葉で明確に伝えることが選ばれるためには不可欠です。
Q2: 顧客のニーズと理想の建築がどうしても合わない場合はどうすれば良いですか?
A2: 顧客のニーズを尊重しつつ、理想を押し付けないことが大切です。双方の価値観をすり合わせる対話を重ね、妥協点を見つけることが成功の鍵となります。
Q3: これまで紹介だけで十分だったのに、なぜSNSやWEB発信が必要なのですか?
A3: 時代と顧客層は変化しています。新しい世代の顧客はインターネットやSNSを通じた情報を信頼します。積極的な情報発信をしなければ、新規顧客獲得が難しくなり、経営の持続が危ぶまれます。
Q4: 自社の欠陥を自己診断する具体的な方法はありますか?
A4: 社内で率直な意見交換を行い、顧客の声や反応を分析することが第一歩です。また、専門家による外部診断やコンサルティングを活用するのも効果的です。
Q5: カチクラ360™とはどんなサービスですか?
A5: 建築業界に特化した360°情報発信システムで、SEO長文記事の制作から音声・動画・SNS展開、さらには出版支援まで、総合的に貴社の情報発信力を強化するサービスです。詳しくは公式サイトをご覧ください。

