あなたの顧客は“別人”になった。建築業界の常識が通用しない理由①【カチクラ電波 E4-1】

「昔はこのやり方で上手くいったのに…」そんな風に感じている建築業界の社長様はいませんか?もしそうなら、それはあなたの会社を支えてきた「建築業界の常識」が、すでに時代遅れになってしまっていることを示すサインかもしれません。

本記事では、カチクラ電波の現役社長・稲葉高志さんが解説する、「建築業界で常識とされてきたことがなぜ通用しなくなったのか?」その最初の理由、つまり「顧客の変化」について徹底的に紐解いていきます。

目次

はじめに:変わりゆく建築業界の戦場

建築業界の社長であるあなたは、日々の仕事の中で「以前はうまくいったやり方が通用しなくなった」と感じることが増えていませんか?情報発信や集客で壁にぶつかり、悩みが尽きないという声も多く聞きます。

前回のエピソード33では、沖縄の塗装会社社長が情報発信を始められず後悔した実話が紹介されました。その中で「情報発信を始める最高の日は昨日で、次に良い日は今日しかない」という言葉が多くの社長の心に響きました。

しかし、ただ闇雲に行動を始めてもすぐに壁にぶつかってしまう。その理由は、「昨日までの勝ちパターンが今日通用しない」という現実にあります。つまり、私たちが戦う「戦場そのもの」が大きく変わってしまったのです。

古い地図を頼りに新しい戦場で戦うことはできません。まずは、現状の正しい地図を手に入れることが不可欠です。

建築業界における不可逆トレンドの理解

今回のエピソード4では、建築業界の常識を根底から変えてしまった「不可逆トレンド」について解説しています。これらは一度起きたら後戻りできない変化であり、今後の業界の在り方を決定づけるものです。

まずは最も大きな変化である「顧客の変化」から見ていきましょう。

顧客が“別人”になったという事実

社長、あなたが今向き合っているお客様は、もはや10年前のお客様とはまったくの別人です。かつての「情報弱者」としての顧客像は完全に過去のものとなりました。

現在、目の前にいるのはスマートフォンという強力な武器を手に、あらゆる情報を網羅した「賢者」とも呼ぶべき存在です。

この「賢者」は、YouTubeやブログなどで自ら学び、我々プロが驚くほどの知識を持っていることも珍しくありません。例えば、

  • 高気密・高断熱のメリット・デメリット
  • 失敗しない業者の選び方

などに関して、彼らはほぼ知り尽くしていると言っても過言ではありません。

トレンド1:情報格差の消滅

以前は専門知識はプロの独占物でした。しかし、今やお客様の方がYouTubeやブログで勉強し、時には専門家顔負けの知識を持っています。

これに対し、社長が上から目線で専門用語を並べ立てるようなコミュニケーションは全く通用しません。むしろ、敬遠され、「話を聞いてくれなさそう」と思われてしまうリスクすらあります。

この時代においては、顧客と同じ目線で、分かりやすく丁寧な説明を心がけることが重要です。

トレンド2:比較検討が常識となった

情報武装した賢者であるお客様は、次に必ず行うのが「比較検討」です。

昔のように「知人の紹介だから」という理由だけで数千万円の契約を決める方はほとんどいません。まずはインターネットで徹底的に比較検討します。

  • ホームページの施工事例
  • 口コミ
  • SNSでの情報発信内容

これらの情報が揃っていなければ、そもそも選択肢に入れてもらえないのです。つまり、試合が始まる前にすでに負けていることも珍しくありません。

トレンド3:共感と物語への渇望

情報が溢れ、どの会社も「高品質」を謳う時代になったからこそ、お客様は単なる機能やスペックだけでは満足しなくなりました。

彼らが本当に探し求めているのは、その会社の背景にある物語や、仕事に込められた思いに対する共感です。

「なぜこの社長はこの仕事をしているのか?」

「どんな思いで私たちの家づくりに向き合ってくれるのか?」

そういった部分が重要視されるようになりました。

お客様は“取引相手”ではなく“人生のパートナー”

現代のお客様は単なる取引相手ではありません。人生の一大プロジェクトを共に作り上げるパートナーを探しています。

だからこそ、技術やスペックだけでなく、社長の哲学や職人の情熱、顧客との心温まるエピソードなど、物語を発信できる会社が最終的に選ばれるのです。

スペックだけでは動かなかったお客様の心が、社長のたった一言の思いで大きく動く。これが現代の市場における新しい、そして最も本質的なルールの一つです。

まとめ:顧客の変化は建築業界の常識を覆す

ここまで述べてきたように、建築業界の顧客は大きく変わりました。10年前の顧客像はもう通用しません。

情報格差の消滅、比較検討の常識化、そして共感と物語への渇望。これらのトレンドは不可逆であり、今後の建築業界の戦い方を根本から変えています。

次回の中編では、これに加えてさらに大きな変化である「競合とメディアの変化」について詳しく解説していきます。ぜひお見逃しなく。

よくある質問(FAQ)

Q1: どうして顧客はそんなに知識を持つようになったのですか?

A1: スマートフォンの普及により、YouTubeやブログ、SNSなどを通じて誰でも簡単に情報を取得できる時代になったためです。これにより、顧客自身が専門的な知識を持つ「賢者」となりました。

Q2: これまでの営業スタイルは全て通用しなくなるのですか?

A2: 完全に通用しなくなるわけではありませんが、顧客の知識レベルや比較検討の手法が変わったため、これまでの上から目線の営業や情報の一方通行は効果が薄れています。顧客と同じ目線で共感を呼ぶコミュニケーションが重要です。

Q3: どのように物語や共感を伝えれば良いですか?

A3: 社長自身の仕事への思いや会社の歴史、職人の情熱、実際のお客様とのエピソードなど、心に響くストーリーを積極的に発信することが大切です。SNSやブログ、動画など多様なメディアを活用しましょう。

Q4: 競合との差別化はどうすれば良いですか?

A4: 次回の中編で詳しく解説されますが、単なる技術やスペックの差別化ではなく、顧客との共感や物語を通じたブランド構築が不可欠です。情報発信の質と量を高めることも重要です。

Q5: すぐに情報発信を始めるべきですか?

A5: はい、情報発信は早ければ早いほど効果的です。しかし、闇雲に始めるのではなく、現状の市場環境や顧客の変化を正しく理解し、戦略的に進めることが成功の鍵となります。

おわりに

本記事で紹介した内容は、建築業界の社長様にとって今後の経営戦略の根幹を成す重要なポイントです。顧客が変わったという事実を受け入れ、新しい時代に即したコミュニケーションと情報発信を行うことで、会社の未来を切り開いていきましょう。

次回の中編では、競合環境とメディアの変化についてさらに深掘りし、あなたの会社が生き残るための具体策をお伝えします。ぜひチャンネル登録と高評価をして、最新情報をお見逃しなく。

最後に、今回の内容をより深く学びたい方は、カチクラ電波の公式note記事やKACHIKURA360™のサービスをご覧いただき、無料個別戦略相談も活用してみてください。

あなたの会社の情報発信革命は、ここから始まります。

カチクラ360説明会資料・動画はこちら

1カテゴリ1都道府県1社限定募集


まずは説明会資料・動画を見る!

上部へスクロール